飼い犬








ACT 9










「・・・っん・・・・っふ」

押し込まれた骨ばった指先に、必死で舌を絡めて舐め上げた

すると

真柴の長くて太い指が俺の舌の動きに合わせるかのように、ゆっくりと口の中で蠢き始める

口の中の柔らかな粘膜を、真柴の指先がなぞっていく

「っ、んぅ・・・・っ!?」

ゾクリ・・・と背筋に言い知れない感覚が湧き上がって来た

歯列を割ってその根元を探り、粘膜をすりあげる
俺の唾液で濡れた指先が、唇の輪郭を確めるようにゆっくりと口蓋をなぞる



・・・・なに・・これ!?



ブル・・・ッと全身に震えが走る
温かいお風呂の中に入っているのだから、寒いわけじゃない

肌があわ立って、与えられる刺激が気持ち良いんだと・・・教えてくれる
口の中の粘膜が、こんなに刺激に敏感だなんて・・・!



・・・・知らない

こんなの・・・っ



「は・・・っ、ん・・・・」



息継ぎのたびに甘い吐息を洩らしながら、俺の口は真柴の指先を咥え込んだまま離そうとせず、指先の動きにあわせて拙く舌でその指先を絡め取る

その様を、真柴の漆黒の瞳が捉えて見つめている

いつもは何の感情も浮べていないその瞳が、少し・・・熱を帯びているように見えるのは、湯船の中に入っているせいだろうか

そんな事を考えている間に、真柴はもう片方の手でシャツのボタンを全部外してしまっていたようで

真柴の片手が、スル・・・とお湯の中からわき腹を撫で上げるように胸元に這い上がってきた

いつも真柴に洗われて、擦られて、刺激に敏感になっている胸の突起は、既に芯を持つほどに硬く、尖っていて

その切っ先を、真柴の親指と人差し指が摘んで刺激する


「・・・・んっ!っく・・・!」

急に加えられたその刺激に、思わず真柴の指に歯を立てた

「こら、ジュン、噛んじゃダメ」

そう言われて、慌てて力を抜き、歯を立てた部分に舌を這わす

でも

そうしてる間もずっと、真柴の片手は俺の突起を摘んだり、引っかいたり、押し潰したり、してて

もう片方の手だって、俺の口の中を思う存分、蹂躙してる

その息苦しさに
どこにも捌け口のない、苦しいほどの気持ち良さに・・・!
涙がボロボロ零れて来る

頬を流れ落ちるその涙を、真柴が唇で吸い上げながら、囁くように命令する

「・・・・ほら、ジュン、自分で服、脱がなきゃ」

「・・・っん」

俺は言われるまま、濡れて脱ぎにくいシャツを脱ごうともがいた

そうすると

必然的に胸を真柴の方へ突き出す格好になって、突起を弄ぶ真柴の動きを助長させる結果になる


「く・・・っ、は・・・・っ」


本気で真柴の指を噛み締めてしまいそうになって、思わず顔を背けて真柴の指を吐き出した

「・・・ほら、ちゃんと脱いで」

吐き出された指先を、真柴がツイ・・・と肩に沿って這わせ、腕に引っかかったシャツを引き剥がしてくれた

その動きを助けようと更に突き出した胸に、今度は真柴の唇が吸い付いてくる

「っああ・・・っ」

ようやく解放された口から悲鳴にも似た声が漏れた

さっきまで放置されて、これ以上ないという位硬く、しこっていたもう片方の突起を、きつく吸われて、甘噛みされ、舌先で転がされる

「や・・・だっ、ま・・しばっ、ん・・・っ」

いままでずっと

触れてくるのは真柴の指先だけで

こんな・・・

真柴の咥内で直に触れられるなんて、なかった

その熱さと濡れた感触に、身体の芯が沸騰する


自分の体のほんの一部・・・なのに、それが、真柴の咥内に取り込まれている


そう考えただけで
身体が熱くなる


もっと、真柴の身体を、その熱さを、直に、自分の体内で、感じたい・・・と思ってしまう


「・・・ジュン、腰、上げて?そのままじゃ脱げないだろ?」

「あ・・・」


真柴に抱え上げられるように持ち上げられ、ユニットバスのシンクに両手を付いて腰を浮かす

脱がせにくい事この上ない、肌に張り付くジーパンと下着を、真柴が一気に引き降ろす

足首付近で留まったそれを、真柴が強引に引き抜いた瞬間、湯船の中に引きこまれかけて慌てて真柴の首筋にしがみついた

もう、とっくに勃ち上がっていた俺の中心が、真柴の腹で擦られて・・・その刺激をやり過ごすのに、思わず真柴の肩に爪を立ててしまった

「ッつ!」

「ご、ごめん・・・!」

俺は慌てて爪を立ててしまったその痕を、舐め上げた
張りがあって、滑らかな舌触りの真柴の素肌・・・!



・・・・・・あ、なんだろ・・・この感覚



舐め上げるたびに
舌先で真柴の暖かな素肌を直に感じるたびに

腰の辺りが、ジン・・・とクル

もともと舌って、食物を味わうための部位だ

美味しいかどうか
自分の好きな味かどうか

一番、はっきり、分かる、感覚器官



・・・・・・足りない・・・もっと、真柴の味が知りたい



気が付いたら

俺は、真柴の太股の上に乗り上げるようにして、夢中になって真柴の肩や首筋を舌で舐め上げ、鼻を擦り付けて匂いを嗅いでしまっていた


まるで犬みたいに


「っ、ジュ・・・ン、くすぐったい・・・!」

そう言った真柴が、俺を引き剥がそうとするから、嫌だとばかりにギュ・・ッとその身体に抱きついて、またいでいたその腰に、足を絡めて密着した

途端

感じた・・・自分の物じゃない、とてつもなく熱くて大きい・・屹立

「え・・・・?」

フッと抱きついていた腕と足から力が抜け、同時に真柴に引き剥がされるようにしてシンクの端に押さえ込まれた

「え・・・?ま・・しば・・・今・・の?」

俺はにわかには信じられなくて・・・不機嫌そうな顔つきになっている真柴の顔を、マジマジ・・・と見つめ返した




「・・・・まだ、ジュンの身体を洗ってない」



そう言って


真柴の口元がフ・・・ッと僅かに上がった




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